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Part16 入学式(式辞)

2021年4月12日 10時02分

 式 辞

 満開の桜の花びらが、春風に乱れるように美しく舞い、花びらの間から、すがすがしい新緑が輝きを増していく季節となりました。

 この佳き日に、伯方支所長 野間 誠様をはじめ、PTA会長 織田将秀様、保護者の皆様のご臨席を賜り、入学式を挙行できますことを、心より厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 思えば、昨年度は、小学校最後の年でしたが、新型コロナウイルスの感染防止のため、学校行事の多くが、中止や規模が縮小され、充分な活躍ができず、不安と共に、悔しい思いをしたのではないでしょうか。

 しかし、先ほどの一人一人の呼名に対するしっかりとした返事、引き締まった表情に、「今日から伯方中学校の生徒として頑張ろう」という強い意思が感じられ、大変うれしく、そして、頼もしく感じられました。

 本校は、「自らが学ぶ」の校訓の下、先輩たちは、日々、勉強や部活動、学校行事に、一生懸命に取り組んでいます。昨年度は、みなさんと同じく、制限された環境の中ではありましたが、三年生を中心に、全校生徒が団結し、自分たちのベストを尽くすことに挑戦し続けました。

 新入生のみなさんも、先輩たちとともに、これからの三年間、自分の可能性を信じ、自分のよさを発揮しながら、様々なことに、積極的に挑戦していってほしいと思います。

 そこで、今日は、新入生のみなさんに、一つ、お願いしたいことがあります。

 それは、「将来の夢を持ち、その夢の実現のために、努力してほしい」ということです。

 これは、私が毎年、新入生にお願いしていることです。自分は、将来、こういうことをしてみたい、こうなりたい、という「夢」、つまり「目標」がなくては、何を頑張ればよいのか、どのくらい頑張ればよいのか、わかりません。充実した中学校生活を送るためにも、まず、これから自分が進むべき道、「将来への夢」を持ってほしいのです。

 今、新型コロナウイルス感染拡大のために、今まで当たり前にできていたことができず、社会全体が停滞しているように見えます。そんな中、飛躍的に普及していることがあります。それは、インターネットを使った情報伝達技術、ICTと呼ばれるものと、AIと呼ばれている人工知能です。イギリスのオックスフォード大学のオズボーン教授によれば、あと十年で、今、人間が働いている仕事の半分が、人工知能AIに取って代わられるそうです。具体的には、スポーツの審判、モデル、カフェ店員、事務員、ネイリスト、タクシードライバーなどだそうです。十年後と言えば、丁度、みなさんの多くが、仕事に就く時期と一致します。

 新入生のみなさん、どうか、中学校生活三年間で、自分の進むべき道をしっかりと考え、その実現に向けて努力してください。そうすることで「夢の実現」に向けて、着実に歩み続けることができると思います。

 みなさんもよく知っている、水泳の「池江璃花子」さんは、十八歳で白血病と診断され、十か月の入院生活を強いられました。その後、再び、オリンピック出場を目指して、毎日、苦しい練習に取り組みました。そして、先日の四月四日に行われた日本選手権の女子百メートルバタフライで優勝し、東京オリンピックの代表に内定しました。この日のインタビューで、彼女は、こう言っていました。「五年前のオリンピック選考会よりも、ずっと自信もなかったし、自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていたんですけど、自分がすごくつらくてしんどくても、努力は必ず報われるんだというふうに思いました。」これまでの思いがこみ上げたのか、時おり、声を詰まらせる場面もありました。

 失敗を恐れず、努力し続けることが、自分にとって何よりの力となり、自分の世界を大きく広げていくことにつながる。このことを目の当たりにすることができた出来事でした。

 新入生のみなさん、中学校生活で、「自分の夢」という木を心にしっかりと植え、「努力」という栄養を与え続けることで、大きく育ててください。

 三年後に、多くの実践に取り組み、様々な体験をし、たくましく、そして、夢の実現に向かって、大きな一歩を踏み出している。そんなみなさんに会えることを、今から楽しみにしております。

 保護者の皆様に申し上げます。本日は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。

大切なお子様を今日からお預かりいたします。本校にとってもかけがえのない生徒です。保護者の皆様と緊密な連携をとりながら、教職員一丸となり、生徒に寄り添い、共に歩みながら、生徒たちの知力・体力・人間力の向上を目指すことをお約束いたします。なにとぞ、温かいご理解とご協力を頂きますよう、お願いいたします。

  結びに、本日から四十名の新入生を迎え、いよいよ伯方中学校の令和三年度がスタートします。新入生の皆さんが、一日も早く中学校生活に慣れ、本校の歴史と伝統に加え、新しい校風づくりの主役として活躍してくれることを願い、式辞といたします。

 

 令和三年四月九日

     今治市立伯方中学校長 越智秀雄

 

Part 15 始業式でのお話

2021年4月8日 11時04分

始業式のあいさつ

  今日から、令和3年度の第1学期が始まりました。

 昨年度は、「新型コロナウイルス感染防止」のため、臨時休業をはさんでの始業式となりましたが、今年度は、なんとか無事に、スタートをすることができました。

今日から、みなさんは、1学年進級し、新しい学年になりしました。

 3年生は、この学校の最高学年になりました。伯方中学校の顔となり、本校の看板を背負った学年として、すべての生徒のお手本となるような学校生活を送ってください。

 2年生は後輩のいる学年になりました。新入生に、直接、いろいろなことを教えてほしいと思います。新入生の不安を解消してあげてください。

 そして、何より、先輩たちが、これまで引き継いできた、伯方中学校のよき伝統「今ある状況の中で、ベストを尽くす」ということを、しっかりと引き継いで欲しいと思います。

 今、テレビ等のニュースにあるように、新型コロナウイルスが、また猛威を振るっています。私たちの周辺の市町においても感染者が出て、私たちのすぐ近くまで来ています。

 しかし、みなさんは、今、それぞれが抱いている、将来の夢を実現するために、今日から続く、この学校生活を、日々、充実したものにすることが大切です。

 そのためには、この新型コロナウイルスをしっかりと防止しなければなりません。そこで、同じことを繰り返すようですが、次の2点に注意してください。

〇 まず、「マスクの着用」です。これは、自分がウイルスを持っていた場合、周りの人にうつさないための防御策です。マスクを着用することは「自分は、みんなを大切に思っていますよ。」という意思表示なのです

 でも、これから暑くなり、付けることがたいへんな季節となります。学校では、臨機応変に対応していきますので、何か困ったことがありましたら先生に伝えてください。

〇 次に、「手洗いと手指消毒」です。これは、自分の身の周りにあるかもしれないウイルスを自分の体内に取り入れないための防御策です。これもかなり有効な防御策です。機会ある毎に手洗い、そして、消毒をしてください。お願いします。

〇 最後に「規則正しい生活」です。メリハリのある規則正しい生活をしていると、体にリズムが生まれます。そのリズムを毎日続けることで、体調の良い状態も続きます。こういう生活を続けることで、ウイルスへの抵抗力も高まり、ウイルスに邪魔されることなく、自分の夢の実現に向かって、少しずつ近づいていく、充実した楽しい学校生活を送ることができると思います。

 例えば、朝、決まった時間に起きてご飯を食べる、体育の時間や部活動などで、適切な運動をする。夜は、しっかり宿題などをして、終わったらすぐに寝る。ゲームなどで夜更かしをしないことが大切です。翌朝しんどいことが、自分にとっても、辛いことですし、何より抵抗力の低下の原因になります。何事も自分のためです。よろしくお願いします。

 この後、学級担任の先生から、安全で、安心な学校生活を送るため、そして、充実した学校生活を送るための大切なお話が、いろいろとあると思います。自分のために、そして、自分の周りの人たちのために、しっかりと聞いて、実践してください。

 そして、今年一年、学習に運動に、しっかりと励むことができるよう、よろしくお願いします。

 以上、みなさんのこれからの活躍を期待して、私の話を終わります。

 みなさん、期待しています!

 

 

Part14 修了式でのお話

2021年3月25日 10時42分

 

 「光陰矢の如し」という言葉どおり、月日の経つのは早いもので、みなさんも、新型コロナウイルス感染防止対策や、そのために行事などが変更になり、その対応に追われながら、あっという間に令和2年度が終わったのではないでしょうか。

しかし、そんな中にあっても、3年生は、みなさんと共に、この伯方中学校で自分たちのやるべきことを一生懸命に行い、後輩のみなさんに、「今、自分がいる環境の中で、ベストを尽くす」という「よき伝統」を残して、3月17日に卒業しました。

 今は、それぞれの進路を実現し、高校生活、あるいは将来に夢を馳せながら、この春休みを過ごしていることと思います。 

 さて、今日は一年をしめくくる日、修了式です。1.2年生の皆さんには、先ほど、代表者に修了証を渡しましたので、今日で、それぞれの課程を修了し、新年度は、みなさんそろって1学年進級となります。

 ここで、この修了証の意味を確認することで、今一度、この1年を振り返ってもらいたいのです。

 今日の修了式は、こんな字を書きます。(提示「修了式」)1,2学期は、終わる、の「終」と、授業の「業」の終業式です。

 でも、今日の修了式は、「修の意味…学ぶ、身に付ける」と「了の意味…悟る、終える」ということです。みなさんそれぞれの学年で、学ぶべきことをすべて身に付けたので、その学年を終了するという意味になります。

 今日、ここで、みなさんに考えてほしいことは、「この一年間、自分なりに、どのような努力をして、どれだけ自分を向上させることが出来たか」ということです。今、みなさんは、この一年間を良く頑張ったぞという手応えや満足感を感じているでしょうか。一人一人、この一年間を自分自身でしっかり振り返ってみてください。

 そして、まだやり残したことがあれば、それをここで終わりとせず、次の学年の目標に取り込み、次こそ、実現するために、頑張ってほしいと思います。みなさんは、部活動や学習で「継続は力なり」という意味をしっかりと経験できていると思います。目標も同じです。自分が満足できるまで継続して取り組んでほしいと思います。

 4月から、2年生のみなさんは、3年生として、この伯方中学校の顔となり、この伯方中学校を背負って活躍する、最高学年となります。1年生のみなさんは、2年生として、新入生の1年先輩として、手本となるべき学年になります。 

 私が、これからのみなさんに臨むことは、友達の誰一人取り残さず助け合い、必要な時には、一致団結して行動することのできる、これまでの本校の「よき伝統」を引き継いだ、みんなに自慢できる伯方中学校にしてもらいたいということです。どうか、よろしくお願いします。 

 以上、新年度、皆さんへの大いなる期待を込めて、令和2年度、修了式のお話とします。

 

Part13 卒業式での話(式辞)

2021年3月17日 13時33分

 式 辞

 厳しい冬の寒さにじっと耐えていた木々の枝に、小さな芽が日増しに増え、膨らみ始めています。春の訪れと共に迎えた今日の佳き日に、伯方支所長様ならびにPTA会長様のご臨席を賜り、令和二年度、第十三回卒業証書授与式が、このように厳粛に挙行できますことは、本校にとりましてこの上ない喜びです。厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

  さて、数々の懐かしい思い出と、大きな夢や希望を胸にして、本校を巣立っていく、三十七名の皆さん、卒業おめでとうございます。

   みなさんが、今、手にしている卒業証書は、中学校の全過程を修了した証明です。手渡しした時に、一人一人の表情に、晴れやかさとともに、新たな出発への決意が感じられ、とても嬉しく思いました。

 本校での三年間、皆さんは、ご家族の温かい励ましや、地域の皆様方のご支援、先生方の指導によって、健やかに成長し、現在を迎えることができました。お世話になった方々に、是非、みなさんの笑顔と共に、感謝の気持ちを伝えてください。

 木にも年輪があり、竹にも節があるように、人の一生には、いくつかの節目があります。今日は、その節目の日でもあり、新たな出発の門出でもあります。

 そこで、皆さんの門出にあたって、本校の教育目標「思いやりの心をもち 主体的に行動する生徒の育成」の「主体的に行動する」ということについて、最後の話をさせてください。

 自分のこととして考え、判断し、努力しようとする「主体性」は、これからの社会で、人として最も大切な資質であると言われています。

 現在、新型コロナウイルス感染防止のために、みなさんは、毎日、マスクを付けています。今年度の四月には、全国の小中学校が一斉に休校になりました。全国で、外出は制限され、社会全体が停滞した状況です。これまでの常識では考えられないようなことが、今、目の前に、当たり前のようにあります。私たちは、この中で、たくましく、しかも自分の夢を実現するために生きていかなくてはなりません。

 みなさんが一度は聞いたことのある、進化論を唱えたダーウインは、こんなことを言ったそうです。

「この世に生き残る生物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭の良いものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ。」

 まさに、今のコロナ禍の時代を生きていくための方向性を示す言葉だと思いました。

 しかし、広島大学教授で海洋生物学者の「長沼毅」さんによれば、これは、生物学的には正しくないそうです。正しくは「たまたま持って生まれた性質が環境に合ったから生き残った」ということだそうです。つまり、運が良かったからだと…。

 しかし、キリンを例に挙げ、こんなことも書かれておられます。

 キリンの首は、高い所の葉を食べるために進化して長くなった、というのは、間違いである。

 キリンの祖先に、たまたま首が長いというハンディキャップを持った個体が生まれた。自分の親を含め、身近にいる仲間たちは、みんな地面の草や低木の葉を主食にしている。首が長い個体にとっては、とても生きにくい環境である。仲間と同じことをしていては、とうてい生き残ることはできない。そんなハンディキャップを持った個体が生き残れたのは、仲間とは違った、「首が長い」という特徴を生かす方法を見つけたからだろう…と。

 つまり、仲間より「首が長い」ことを「自分はついてない」「こんな体じゃ無理」などとあきらめず、この「首が長い」というハンディキャップを「しょうがない」と受け入れ、そして、「今いる環境で頑張った」からなのだと。

 私が、一番共感し、みなさんに伝えたいのは、このことなのです。

 私たち一人一人は、顔や体格、性格は違います。家庭環境も違います。誰しも、自分だけにしか分からない、その人なりのハンディキャップを持っていると思います。それを、「自分は、運が悪い」とか「こんな環境では頑張れない」などと、投げやりにならず、このことを素直に受け入れる。自分を正面から見つめ、自分のいる環境をしっかりと理解する。その上で、自分が、なすべきことは何なのか。人とは違った何かを見つけ、それを頑張る。これこそが、自分の夢を実現できる方法だと思うのです。

 二十一世紀、予測のつかないことが起こるであろう時代に活躍するみなさん、自分の特徴や、自分の置かれた環境をしっかりと受け入れ、その上で、自分独自の生き方・目標を見つけ、その実現に向かって行動してください。それが、これからの時代に合った「主体的に行動する」という生き方だと思うのです。

 私は、みなさんの中に、すでにこの生き方が育っているのを見て来ました。その一つが、運動会の応援合戦です。どの先輩たちより厳しい制限の中で、話し合って決めた自分たちの想いを実現させようと、みんなが同じ方向を向き、一致団結して取り組む姿。当日は、笑顔いっぱいの演技。これこそが、「主体的に行動する姿」そのものだったと思っています。

 四月からはそれぞれの進路で、自分らしさを発揮しながらも、悩みや苦しさに出会うこともあるでしょう。でも、自信を持ってください。在校生は勿論、私たち教職員もみなさんを見守っています。伯方中学校で、ともに学んだ、私たちのことを忘れないでください。時には、伯方中学校に来て、みなさんの成長した姿を見せてください。楽しみに待っています。

 終わりになりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。九ヵ年の義務教育を終え、未来に向かっての新しい門出を心からお喜び申し上げます。

 また、PTA活動などを通してお寄せ下さいました本校へのご協力・ご支援に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。

 最後に、新たな人生に向かって、旅立つ卒業生のみなさんに、「相田みつお」さんの言葉を送り、式辞とさせていただきます。

  

 「道は自分でつくる

  道は自分で開く

  人のつくったものは

  自分の道にはならない」

 

           令和三年三月十七日

                今治市立伯方中学校

               校長  越智 秀雄

 

Part 12 少年式での話(式辞)

2021年2月2日 10時04分

 

 寒さの中にも梅の木は、赤いつぼみをほころばせ、春の近いことを知らせています。

 そんな中、「少年の日」を迎えられた二年生の皆さん、おめでとうございます。教職員一同、心からお喜び申し上げます。

 二年生の皆さんは、少年の日を迎えるにあたり、少年式の意義や目標である「自覚・立志・健康」については、すでに学び、理解していると思います。この式は、中学生活の過程において、皆さん自身が自分の姿を鏡に映し、今一度、自分の志が確かなものであるか、着実に一歩一歩実行に移されているか、確かめるよい機会となります。

 人の一生は、樹木に年輪があり、また竹に節があるように、いくつかの節目があります。本日の少年式も、皆さんの長い人生における大切な節目の一つであるといえます。

 そこで、私は、二つのことを皆さんにお話ししたいと思います。皆さんのこれからの人生の指針になれば幸いだと思っています。

 一つ目は、毎日の生活の中で、自分自身に目を向け、自分の「よさ」に気づき、それを伸ばして欲しいということです。 

 皆さん一人一人は、それぞれ顔や体つき、性格が異なっているのと同じように、一人一人が、それぞれ独自のかけがえのない「よさ」をもっています。

 「よさ」には、勉強やスポーツが得意ということだけでなく、困っている友だちがいたら優しく手助けができる「よさ」、また家庭で買い物や掃除などの手伝いができる「よさ」など、たくさんの「よさ」があります。そこで、今日から、もっともっとたくさんの自分の「よさ」を見つけ、伸ばすことができるように、日々努力してほしいのです。それとともに、自分にない友だちの「よさ」にも気付き、そこからたくさんのことを学んでほしいと思います。

 二つ目は、「まわりの人たちに思いやりを持ち、それを行動で示して欲しい」ということです。

 人間は社会的動物と言われるように、人と人とのつながりをもって生きている存在です。私たちは、人とのつながり、まわりの人の助けなしでは、自分の夢を実現することはできません。この社会で生きていくことも難しいと思います。私たちが毎日過ごしているコロナ禍の中、みなさんも、このことは強く感じていることと思います。

 「情けは人のためならず」という諺があります。これは、深い思いやりの気持ちを行動で示すことの大切さを教えてくれる言葉であり、人間社会の心の豊かさを育んでいくことを教えてくれる言葉だと思っています。

 もし、困っている人がいたとき、すぐに、情け、つまり、その人に寄り添い、助けてあげて欲しいのです。そうすることで、その行動は、まわりまわって、みなさんが困ったときに、きっと、まわりの誰かが助けてくれます。みなさんが、自分の夢を実現しようと努力している時に、きっと、その背中を後押ししてくれます。

 「思いやりの気持ちをもつ」とは、本校の教育目標でもあり、その実践は、みなさんのまわりに人と人との豊かなつながりを創りあげるだけでなく、これから皆さんが生きていく社会の中で、とても大切なことなのです。生涯において忘れないでほしいと思います。

 私は、今日、皆さんへのお願いとして、「自分のよさを伸ばすこと」「まわりの人たちに思いやりを持ち、実行すること」の大切さについてお話ししました。

 これらのことは、毎日の生活の中で、自分自身が努力することによって、自分の中に、そして、自分のまわりに育ってくるものであることを覚えておいてほしいと思います。

 最後になりましたが、本日、新型コロナウイルス感染防止のため、残念ながらこの場に、ご臨席を賜ることは叶いませんでしたが、今治市教育委員会の皆様をはじめ、保護者の皆様、そして、地域の皆様方におかれましては、日頃から本校の教育活動に深いご理解と温かいご支援を賜っておりますことをここに感謝申し上げ、式辞といたします。

      令和3年2月3日

        今治市立伯方中学校長 越智 秀雄

 

Part11 始業式のあいさつ

2021年1月12日 09時31分

 昨日から、突然、寒さが厳しくなりました。そんな中、今日から3学期が始まりました。

 まず、この年末・年始において、ここにいるみなさんが、事件や事故に遭うこともなく、無事に、今日、ここでまた会えることを、なによりもうれしく思います。これは、みなさんが、この冬休み、担任の先生をはじめ、家族のみなさんからの注意をしっかり守っていたからだと思います。

 さて、この3学期は、長かった2学期と比べると、かなり短い学期です。油断をしていると、あっという間に修了式がやってくるかもしれません。

 しかし、短い期間にも関わらず、この3学期は、一年間の締めくくりとなる、重要な学期でもあります。

 3年生は、卒業後の進路を決定する大きな関門、受検があります。その突破に向けて、中学校生活の締めくくりを、しっかりとしてほしいと思います。

 2年生は、伯方中学校の最高学年として、1年生は、入学してくる新入生の先輩として、学習面や運動面、生活態度など、ふさわしい資質を身に付けるために最後の仕上げをしてほしいと思います。

 「終わりよければ、すべてよし」という諺(ことわざ)があります。これは、「最後を大切にして、成果を出すためにしっかり努力をすれば、たとえ、最初や途中に失敗があっても、すべてよしとなる」という意味だと思います。

 1学期、2学期、うまくいかなかった、成功しなかった、と悔やんでいる人、チャンスです!この3学期、しっかりと努力し、成果を上げれば、「すべてよし!」ということになるのです。全員にチャンスがあります!!今年度、最後のひとあがきをしてみませんか!? 私も、何かしてみようと密かに考えています。

 そんな3学期ですが、新型コロナウイルスの感染は、愛媛県内、ここ今治市内においても拡大する傾向にあります。

 みなさんがやりたいことを実現するために、普段の生活の中で、マスクの着用、手洗い、3密の回避など、自分にできることはしっかりと行い、努力できる環境づくりをお願いします。

 そして、身の回りの誰かが感染した、または感染した可能性がある場合には、しっかりと支え、できるだけ早く、いつもの生活に戻れるように、協力していきましょう。それを妨げるような行為があれば、絶対に許さず、なくす行動をとりましょう。よろしくお願いします。

 それでは、全校生徒のみなさん、この3学期、体調をしっかり整え、この1年間の成果を出すために、総仕上げをしていきましょう。よろしくお願いします。

PART10 終業式のあいさつ

2020年12月25日 11時51分

 今日で、一番長く、行事の多かった、2学期が終了します。振り返れば、あっという間だったような気もします。

 思い起こせば、9月13日の「大運動会」、10月6日から始まった「新人体育大会」。11月1日には「校内文化祭」もありました。

9月13日の「大運動会」は、例年とちがい、半日開催でした。種目も半分になり、みんなの表情にも残念さが見られました。

 でも、そんな中、しっかり輝いていたのが3年生でした。練習をする日が短かったにも関わらず、3年生が中心となり、全校生徒をしっかりとまとめあげ、応援合戦もダンスも、見事に仕上げました。当日の応援合戦やダンスをしている表情には、残念な暗い表情はなく、笑顔いっぱいで演技をしていた姿がありました。3年生の感想です。

 私は、運動会が終わった感じがまだしません。そのくらいあっという間で、楽しい時間でした。勝ったことはもちろん、3年の全員で頑張ってやり遂げたことが嬉しかったです。誰一人欠けることなく終われて本当によかったです。

 そんな思いに下級生もしっかりと応えていました。1年生の感想です。

 3年生にとって最後の運動会。私の思い出ベスト1は、「応援合戦」です。3年生に「声出して。」と怒られてばっかりでした。私たちが声を出さないから、泣きそうになっていた3年生がいました。最後の運動会。よい思い出になるように、本番、一生懸命にがんばりました。赤組の応援が終わったあと、3年生の笑顔が見られました。3年生の笑顔を見ることができて、私はうれしかったです。来年もこの笑顔が見られるように全力で取り組みます。 

 伯方中学校のすばらしき伝統の一つ、「先輩の頑張り、そして、それを引き継いでこうとする後輩の姿」が、ここでも見ることができました。今年度の運動会は、半日しかできなかったことは残念ですが、例年以上に、すばらしい運動会になったと考えています。全校生徒のみなさん、ご苦労様でした。

 そして、やはり半日開催の文化祭では、各学級や吹奏楽部など、いろいろな発表があり、みんな真剣に取り組んでいました。まずは合唱コンクールです。当日まで、意見が割れ、対立もあったと思います。でも、学級担任の先生も一緒になって取り組み、当日は、すばらしい歌声を聴くことができました。2年生の感想です。

 今年の文化祭は半日でしたが、とてもよい思い出がたくさんできました。その中でも、「合唱コンクール」が1番の思い出です。最初は、意見や気持ちがバラバラで、本当に大変でしたが、後半、だんだん気持ちが一つになってきたと実感した時は、とてもうれしかったです。負けてしまいましたが、悔いのない、楽しい合唱コンクールでした。

 そして、3年生の人権劇もすばらしかった!見ていた保護者の方々も涙を浮かべて見入っていました。みんなの心に、「人を差別することの醜さ、差別をなくす行動のすばらしさ」を訴えることができたように思いました。

 そのほか、2年生の修学旅行は、例年とは違い、出雲大社などの山陰方面でしたが、無事に実施することができました。ここでも楽しい思い出ができたようです。今治市・越智郡の新人体育大会においても、素晴らしい活躍がありました。特に、女子バレーと剣道では、県においても活躍しました。

 でも、私たちの周辺では残念なこともありました。それは、新型コロナウイルスの感染が、全国に広がってきたことです。この愛媛県も例外ではありませんでした。この今治市においても感染者が確認され、私たちのすぐ身近にも迫ってきました。今日現在、みなさんのマスク着用や手洗い、三密回避の行動など、感染防止の取組により、この伯方中学校において感染者は確認されていません。これからも引き続き、しっかり取り組んでいきましょう。

 ここで、新柄コロナウイルス感染防止に関して、みなさんに、2つのお願いがあります。

 まず1つ目は、明日から始まる冬休み中、もし、「自分や、家族や身近な人が、濃厚接触者や当事者になった場合は、すぐに学校に連絡をする」ということです。学校は責任をもって、個人情報は守ります。安心して連絡してください。お家の方にも伝えておいてください。お願いします。

 そして、2つ目です。それは、みなさんやみなさんの身の回りで、感染の可能性が出た時、SNSなどを使って、「個人を特定し、その人やその家族を傷つけるようなことは絶対にしない」ということです。感染した人は、これから、新型コロナウイルスと命を懸けて戦うことになります。それなのに、それ以上に、その人たちを傷つけ、つらく苦しい思いをさせることは、人として、仲間として絶対に許されないことなのです。このことは、常に頭の中に入れて、しっかり覚えておいてください。そして、いざとなったらすぐに思い出し、正しい行動をとってください。自分がしないだけでなく、しようとしている人がいたら、止めてください。もし、直接言うことができない場合は、見て見ぬふりをするのではなく、家の人や学校のどの先生でもかまいません。その人たちを救うために、必ず伝えてください。私たちが、しっかりと対応します。

 SNSなどが使える「スマホ」は、非常に便利な反面、使い方によっては、人を傷つけ、命をも奪ってしまう恐ろしい凶器にもなるのです。このことを常に頭の中において、お互いを信じ、お互いを守っていきましょう。よろしくお願いします。

 私からお願いしたいのは、以上です。

 では、明日から、来年の1月7日までの13日間、担任の先生からの注意をしっかりと守り、安全で、充実した生活を送ってください。

 そして、1月8日の始業式に、全員で会いましょう。 

 

 

Part9 文化祭の感想とお礼(閉会あいさつ)

2020年11月1日 15時38分

 生徒のみなさんが、心待ちにしていた文化祭。新型コロナウイルスのため、半日開催にはなりましたが、朝一番に、心躍る吹奏楽の演奏から始まり、身も心も躍る3年生の有志で終わりました。すばらしい、心がゆり動かされた文化祭になったことを、うれしく思います。

みなさんが緊張した面持ちの中、学年ごとの発表に込めた思いや、合唱コンクールでの歌声、ハーモニーは、本日、参加されていた、みなさんの心の中に、しっかりと届けることができたと思います。私も久々に中学生のハーモニーを聴き、心に染み渡りました。

 まず、「総合的な学習の時間」の発表では、どの学年も1学期は臨時休業のため、活動はほとんどできませんでした。2学期になり、運動会を終えてから、やっと発表の案を作成し、パソコン教室で、プレゼンテーションを、グループで、ああでもない、こうでもないと話合い、時間と戦いながら、なんとか今日、発表することができました。どの学年も工夫していて、すばらしい発表でした。

 特に、3年生の人権劇では、「しんどい思いをしている相手に寄り添い、その人のために、自分にできることをする」ことの大切さを、登場人物になりきることで、今日、ここで、見ている私たちの心にしっかりと伝えることができたと思います。

 先週、3年生の最後のリハーサルを見た、ある先生は、「劇もすごかったけど、3年生が、ここまで成長したのか~と思うと、その感動で涙が出そうになった。」と話していました。私は、この言葉で、3年生の頑張りがよくわかりました。

  そして、合唱コンクールです。今年は、各学年、自由曲の1曲でした。どの学年も、その1曲に集中して取り組んでいました。

 朝、廊下の踊り場で練習をしたり、夕方、中庭にある芝生の上で練習をしたりしていた姿がありました。生徒だけでなく、先生が指揮者のようにタクトを振るがごとく、必死に盛り上げようと頑張っていた姿、目を見開いて、生徒の歌声に合わせて、体全体でリズムを取りながら聴いていた姿がありました。

 朝練をする学年もありました。でも、子どもたちの思いがうまくまとまらず、時には対立することもありました。先生も必死になり、一人一人の思いを大切に、まとめようと一生懸命になっている姿がありました。

 そして、その成果が、今日の歌声でした。参加して頂いた保護者のみなさんは、どう感じられたでしょうか。

 私は、子どもたちが努力した成果は、最高だと考えています。そして、将来、この経験をもとに、もっと成長していくことに、大いに期待しています。

 最後になりましたが、今日、この文化祭で与えられたすばらしい経験は、すべて、3年生を中心とした生徒のみなさんのがんばりと、みなさんと共に表になり裏になり支えてきた先生方、そして、家庭で、生徒のみなさんが、何事もなく、毎日を過ごせるよう、支え続けてくださった保護者の皆様のおかげだと、深く、感謝しています。

今日は、ほんとうに、ありがとうございました。

 

Part8 新人戦への応援メッセージ

2020年10月5日 15時29分

※ 壮行会(10月5日)でお話しした内容です。

 

        激励の言葉

 2年生・1年生のみなさん、明日から開催される「今治・越智中学校新人体育大会」は、みなさんにとっては、新チームになっての最初の公式戦です。

 これまで、先輩たちや、顧問の先生方、多くの方々から教えてもらい、身につけてきた技術、そして、精神力とチームワークを、あますことなく、充分に、発揮してきてください。私たち、全教職員と学校に残っている生徒たちは、会場には行けませんが、この伯方中学校、各会場から、みなさんを心から応援しています。

 今、みなさんを大きな声で応援してくれた3年生は、みなさんも知っているとおり、3年生最後の大会である「今治・越智中学校総合体育大会」は、新型コロナウイルス感染防止のため、残念ながら開催されませんでした。

 中止を聞いたときの3年生は、とても大きなショックと、悔しさと、これまで頑張ってきた様々な思いが重なったのでしょう、大粒の涙を流していました。

 その後行われた3年生最後の交流戦では、その思いをしっかりと試合にぶつけようと頑張った姿がありました。従来、あるはずの力が発揮できず、悔し涙を流した姿もありました。

 私が応援に行ったある部では、最後の決勝戦、力の限り戦い続けましたが、残念ながら、負けてしまいました。最後まであきらめず、仲間がミスしても決していやな顔ひとつせず、互いに声を掛け合いながら、互いに応援しながら戦い続けたその姿に、私は、とっても感動しました。とても印象的でした。

 でも、それ以上に印象的だったのは、試合が終わった直後、みんなが集まったとき、その3年生は、その場にいた後輩に向かって、「次、頑張ってくれ!おれらの分まで頑張って優勝してくれ!頼むぞ!」と笑顔で話していた姿でした。最後の試合に負け、とても悔しかったと思います。辛かったと思います。でも、いやな顔を見せず、後輩に、自分たちができなかった夢を託したのです。私は、これはなかなかできないことだと思いました。

 そんな先輩たちが、ここにいます。これが、この伯方中学校のよき伝統だと思いました。伯方中学校のすばらしさだと思いました。

 2年生、1年生のみなさん、この伯方中学校のよき伝統を引き継ぎ、明日からの試合、互いに励まし合いながら、しっかり、今、身に付けている力を、思う存分、発揮してきてください。

 そして、その結果を、胸を張って、堂々と報告できるよう、全力を尽くしてきてください。

 みなさんが、充実した表情で、報告してくれるのを、とっても楽しみに待っています。よろしくお願いします。

 

Part8 生徒のみなさんにお願いがあります。(終業式の話の続き)

2020年7月31日 13時24分

 みなさんに、お願いがあります。それは、「新型コロナウイルス」に関するお願いです。

 7月24日に、今治市内で、新型コロナウイルスの感染者が確認されました。翌日の愛媛新聞には、今治市長さんの記者会見の様子が載っていました。その中で、菅市長さんは、ものすごく重要なことを、2つの文でお話しされていました。

 1つ目は、「確かな情報で、正しく恐れ、冷静な行動を」という文です。

 この意味は、自分が見聞きしたことを「まず、事実(本当)かどうかを確かめて、その事実をもとに、慌てず落ち着いて判断し、冷静に行動すること」が大切なんだという意味ではないでしょうか。

 現在、ソーシャルメディアでは、デマがいたるところに徘徊しています。デマほどショッキングな内容が多くあります。これを見て、それで傷つく人がいることなどに思いをはせることなく、それが事実かどうかを確認することなく、みんなに伝えてしまう。そして、それを見た人たちが、その伝聞だけで、関係した人を排除してしまう。傷つけてしまう。デマで動く人たちは、みんなにとって、恐ろしい人になります。新型コロナウイルスよりも怖い存在になっているかもしれません。

 そして、2つ目は、「各自の心がけが、自分の人生や大事な人を守る」という文です。

 デマを信じて拡散したり、過剰に反応してしまうと、自分にそのつもりがなくても(悪意がなくても)、「犯罪」になることがあります。刑事罰を受けたり、高額の賠償金を払うことになることもあります。そのことが新聞報道されると、今度は、自分がデマを拡散される立場にもなりかねません。

 新型コロナウイルスの感染は完治することがありますが、心に負った傷は完治することはありません。みんなの人生に大きな影響を与えてしまうこともあります。

 みなさんにお願いです。みなさんが持っているスマホは、非常に便利な道具ですが、使い方によっては、人を傷つけたり、命をも奪ってしまったりする凶器にもなります。

 この夏休み、見たり聞いたりしたこと(情報)や、それを人に伝えたりするときには、まず、正しいかどうかを判断してください。わからなければ家の人と相談して判断してください。そして、人を傷つけることなく、正しい行動をとってほしいと思います。

 どうか、よろしくお願いします。