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Part 12 少年式での話(式辞)

2021年2月2日 10時04分

 

 寒さの中にも梅の木は、赤いつぼみをほころばせ、春の近いことを知らせています。

 そんな中、「少年の日」を迎えられた二年生の皆さん、おめでとうございます。教職員一同、心からお喜び申し上げます。

 二年生の皆さんは、少年の日を迎えるにあたり、少年式の意義や目標である「自覚・立志・健康」については、すでに学び、理解していると思います。この式は、中学生活の過程において、皆さん自身が自分の姿を鏡に映し、今一度、自分の志が確かなものであるか、着実に一歩一歩実行に移されているか、確かめるよい機会となります。

 人の一生は、樹木に年輪があり、また竹に節があるように、いくつかの節目があります。本日の少年式も、皆さんの長い人生における大切な節目の一つであるといえます。

 そこで、私は、二つのことを皆さんにお話ししたいと思います。皆さんのこれからの人生の指針になれば幸いだと思っています。

 一つ目は、毎日の生活の中で、自分自身に目を向け、自分の「よさ」に気づき、それを伸ばして欲しいということです。 

 皆さん一人一人は、それぞれ顔や体つき、性格が異なっているのと同じように、一人一人が、それぞれ独自のかけがえのない「よさ」をもっています。

 「よさ」には、勉強やスポーツが得意ということだけでなく、困っている友だちがいたら優しく手助けができる「よさ」、また家庭で買い物や掃除などの手伝いができる「よさ」など、たくさんの「よさ」があります。そこで、今日から、もっともっとたくさんの自分の「よさ」を見つけ、伸ばすことができるように、日々努力してほしいのです。それとともに、自分にない友だちの「よさ」にも気付き、そこからたくさんのことを学んでほしいと思います。

 二つ目は、「まわりの人たちに思いやりを持ち、それを行動で示して欲しい」ということです。

 人間は社会的動物と言われるように、人と人とのつながりをもって生きている存在です。私たちは、人とのつながり、まわりの人の助けなしでは、自分の夢を実現することはできません。この社会で生きていくことも難しいと思います。私たちが毎日過ごしているコロナ禍の中、みなさんも、このことは強く感じていることと思います。

 「情けは人のためならず」という諺があります。これは、深い思いやりの気持ちを行動で示すことの大切さを教えてくれる言葉であり、人間社会の心の豊かさを育んでいくことを教えてくれる言葉だと思っています。

 もし、困っている人がいたとき、すぐに、情け、つまり、その人に寄り添い、助けてあげて欲しいのです。そうすることで、その行動は、まわりまわって、みなさんが困ったときに、きっと、まわりの誰かが助けてくれます。みなさんが、自分の夢を実現しようと努力している時に、きっと、その背中を後押ししてくれます。

 「思いやりの気持ちをもつ」とは、本校の教育目標でもあり、その実践は、みなさんのまわりに人と人との豊かなつながりを創りあげるだけでなく、これから皆さんが生きていく社会の中で、とても大切なことなのです。生涯において忘れないでほしいと思います。

 私は、今日、皆さんへのお願いとして、「自分のよさを伸ばすこと」「まわりの人たちに思いやりを持ち、実行すること」の大切さについてお話ししました。

 これらのことは、毎日の生活の中で、自分自身が努力することによって、自分の中に、そして、自分のまわりに育ってくるものであることを覚えておいてほしいと思います。

 最後になりましたが、本日、新型コロナウイルス感染防止のため、残念ながらこの場に、ご臨席を賜ることは叶いませんでしたが、今治市教育委員会の皆様をはじめ、保護者の皆様、そして、地域の皆様方におかれましては、日頃から本校の教育活動に深いご理解と温かいご支援を賜っておりますことをここに感謝申し上げ、式辞といたします。

      令和3年2月3日

        今治市立伯方中学校長 越智 秀雄