ブログ

Part6 寝ることの大切さ

2020年6月12日 15時58分

 先月の25日(月)から学校が再開して3週間が過ぎました。

 学校での生徒の表情や様子を見ていると、「疲れているのかな。」と思える子どもたちが見受けられます。朝から、そんな様子ですから、授業に集中できているのかなと心配をしています。

 疲れて時には、何より「睡眠」をとることが一番効果的です。でも、いつでも寝ればよいというわけではありません。寝る時間帯が、非常に大切なのです。「寝る」ことは、ただ「疲れをとる」だけではありません。私たちが知らない「非常に大切な多くのよいこと」があるのです。今日は、このことついて紹介します。

 まず、絶対に外せない、寝るための最高の時間帯は、「午後11時頃から午前2時頃」と言われています。その理由は、この時間帯に寝ることで「成長ホルモン」と「メラトニン(睡眠ホルモン)」が最も多く分泌されるからだそうです。

 このホルモンの役割は、「体の成長促進」「病気の治療と予防」「老廃物の排除」「数々のホルモンの生産」「脳と精神のメンテナンス」など、中学生のみなさんにとって、大きく成長している今はもちろんのこと、今後、社会に出て、自分の夢を実現するための心と体づくりのために、絶対的に必要なことがらなのです。睡眠時間を規則正しくとるだけで、これだけのことができるのです。

 ここで、この時間帯に「睡眠をとること」で勝ち取ることのできる、4つのすばらしいことを紹介します。

【その1】記憶力がアップする!

 脳は、みなさんが寝ていても、じつは寝ていません。この時に記憶の整理をします。日中に見たり聞いたりしたことことを取捨選択し、長期的に記憶しておくべきことと判断したことを定着(記憶)させます。1回だけ読み書きしたような記憶は、ここで脳から消去されます。何度も繰り返し覚えたことなどを脳は記憶しておくべきことと判断し、記憶します。(Part5で紹介したように、何度も繰り返して覚えることは記憶するためには非常に有効だと言えます。)

【その2】成長ホルモンが分泌され、体が成長する!

 成長ホルモンは、みなさんが眠っている間に、体内に分泌され、身長を伸ばし、筋肉を発達させ、代謝を促進します。しっかりとした体をつくります。

【その3】ストレスが和らぎ、心が休まる!

 思春期のみなさんは、友人関係や部活動、勉強のことなどでプレッシャーを感じ、ストレスを抱えていると思います。子どのうちは、そのストレスをうまく発散できません。十分な睡眠をとることで、それが和らぎ、次の日のやる気も湧いてくるのです。

【その4】自律神経が発達し、整う!

 私たちがもっている自律神経は、消化器や循環器、呼吸器の調整をする神経です。自律神経は、規則正しい生活をすることで整えられます。でも、睡眠不足やストレスが続くと、乱れます。自律神経がまだ十分に発達していないと、低血圧になったり、朝起きにくいことがあったりするそうです。十分な睡眠をとることは、自律神経を発達させ、整えるために必要なことなのです。

 

 では、睡眠時間を確保するためには、どうすればよいのでしょうか。それは、各家庭によって事情が違うので、これと言ったみんなに共通する決め手はないと思います。家族でそれぞれの言い分を聞き、話し合い、よりよい方法を決めるのが一番だと思います。

 その時に、キーワードにしてほしいのが「起きる時間」です。1日の計画を立てるときに、まず「朝起きる時間」を決めます。すると、睡眠時間を考慮して、「寝る時間」が決まります。学校からの帰宅時間はほぼ毎日同じですから、寝るまでの「自由になる時間」が決まります。あとは、その「自由になる時間」を何に使うのかを家族で話し合えばよいのです。「ゲームの時間」にどのくらい充てるのかを考えるのも、この「自由になる時間」が基準となります。 

この方法だと、家族全員で、1日の時間の過ごし方が理解でき、無駄な時間も見えてきます。そして、その無駄をいかに削ぎ取るのかを考えればよいのです。でも、無駄な時間とは言え、必要なこともあり、それは土・日で使うように工夫できると思います。

 

 たかが「寝るだけ」と思っている人もいると思いますが、1年後、2年度、またはずっとその先の将来に、この差が大きく目に見えるものとなって、後悔することがないように、今は、しっかり寝ることを大切に考えてくれることを願うばかりです。中学生の皆さんにとって、とっても大切なことだと思うのです。

 さて、あなたは、今夜、何時に寝ようと考えていますか?